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田中彰治(助手) 分子研リポート2002 | 分子科学研究所

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Academic year: 2018

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178 研究系及び研究施設の現状

田 中 彰 治(助手)

A -1)専門領域:構造有機化学、分子スケールエレクトロニクス

A -2)研究課題:

a) ナノ電子工学との融合を目指した大型分子機能システムの開発

A -3)研究活動の概略と主な成果

a) 極限の機能集積度(1機能ユニット/平方ナノメータ)を有する「真に分子レベルの電子情報処理システム」の創出 に至る根幹技術として,単一の大型平面分子骨格内に多種多様な分子機能ユニットを定序配列に作り込むプレー ナー型モノシリック機能集積化アーキクチャの開拓が求められている。そのための基盤研究として本プロジェクト では,i) 電子構造制御用分子ブロック,ii) 被覆型分子ワイヤーブロック,iii) 分子ジャンクションブロック,iv) 分子 アンカーブロックといった要素機能モジュール群の開発,並びにその大規模組織化法の新規開発を進めている。本 件では固体基板上を分子機能の発現場と設定しており,今年度は主に各種分子モジュールの「基板表面上における 分子構造-物性相関」について検討を行った。計測容易な溶液系(よって分子スクリーニングも容易)における構造− 物性相関との比較から,「表面分子系に特有な分子設計指針」について解明を進めている。

B -1) 学術論文

M. TACHIBANA, S. TANAKA, Y. YAMASHITA and K. YOSHIZAWA, “Small Bandgap Polymers Involving Tricyclic Nonclassical Thiophene as a Building Block,” J. Phys. Chem. B 106, 3549–3556(2002).

B -3) 総説、著書

多田博一、田中彰治 , 「分子スケールの電気特性測定」, 分子ナノテクノロジー 化学同人 , pp. 65–72 (2002).

B -4) 招待講演

田中彰治 , 「有機合成量子化学からの分子スケール・エレクトロニクス素子開発」, 産業技術総合研究所 , つくば , 2002 年 10 月 .

田中彰治, 「固体基板上における自己組織化能を有する大型パイ共役分子の開発」, 中化連・特別討論会「ナノテクノロジー への錯体化学の寄与」, 名古屋 , 2002年 10 月 .

田中彰治, 「構造有機化学の新天地― 有機量子化学と量子デバイス工学の融合領域としての分子スケールエレクトロ ニクス」, 新潟大学理学部講演会 , 新潟 , 2002年 12月 .

B -6) 学会および社会的活動 学会の組織委員

分子研分子物質開発研究センター・特別シンポジウム「分子スケールエレクトロニクスにおける新規分子物質開発」主催 者 (1998).

(2)

研究系及び研究施設の現状 179 応用物理学会・日本化学会合同シンポジウム「21世紀の分子エレクトロニクス研究の展望と課題―分子設計・合成・ デバイスからコンピュータへ―」日本化学会側準備・運営担当 (2000).

第 12回日本MRS学術シンポジウム:セッション H「単一電子デバイス・マテリアルの開発最前線 ∼分子系・ナノ固体系 の単一電子デバイス∼」共同チェア (2000).

First International Conference on Molecular Electronics and Bioelectronics, 組織委員 (2001).

C ) 研究活動の課題と展望

近年,応用物理系領域においてナノ分子デバイスの動作実証研究が盛んとなっているが,それらの研究例はバルク電極の 一部を微細化して形成したナノギャップ内に単一(少数)分子を配置した「ハイブリッド型分子素子」について行われたもの である。しかし,そのようなバルク電極や配線部材を構築要素として多用する系では,「真に単一分子レベルの情報処理シ ステム」にまでは原理的に進展しえない。この限界を打破するための新概念が,情報処理に必要とされる一連の基本機能 ユニットを単一巨大分子内に定序配列に組み込む「モノリシック型分子アーキテクチャ」である。容易に予想されるように,こ の新分子アーキテクチャの具現化のためには,ハイブリッド型と比較してはるかに複雑で困難な分子開発が必要となる。だ からこそ「機能分子の設計/合成だけで飯を食える」べく訓練された構造有機化学者が突破口を切り開く責任を有するもの と考えている。

参照

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